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債務整理は現在の借金総額を知ることから

多重債務者と呼ばれる人は支払不能状態にも関わらず「今月はなんとか乗り切れる」とか「まだ大丈夫」とか「どうになかるだろう」と思っているふしがあります。複数の業者から借金を続けていると、毎月のやり繰りは何とかなってしまうので、肝心の借入総額への意識が薄くなる傾向があります。

しかし、自転車操業的なやり繰りは必ずどこかで行き詰まり最終的には破綻してしまいます。借金トラブルを解決するには、まず債務者(借金を抱えている人)自身が、自分の借金の総額を正確に把握することが大切です

借金の総額を知らなければ、現在の収入で返済可能かどうかも判断できません。ひいては、借金整理を行うべきなのかどうかの判断もできません。

借金トラブルを解決する債務整理の第一歩は、現在の借入総額を知ること

滞納家賃も光熱費も借金です

しかし、総額を知ろうにも、自分がどれほど借金しているのかが分からなければ把握のしようがありません。それに「何が借金なのか?」ということを正しく理解しておかないと、借金整理をする途中で「隠れた借金が出てきた」などということにもなりかねません。

殆どの人が借金といえば、銀行ローンサラ金カードキャッシングを思い浮かべますが借金はそれだけではありません。

たとえば、リボ払いで購入した高額商品やローンを組んで自動車や家電製品を購入し、いまだ完済(完全に返済すること)していない場合は残りのローンは借金です。たとえ商品が手元にあっても所有権はローン会社にあります。商品を売却してしまうと刑法上は他人の物を勝手に処分したということで横領罪になってしまいます。

また、誰かの保証人になっている場合(たとえば住宅ローンなどで連帯保証人になっている場合)も、その保障額が保証人の借金とされます。

なお、家賃電話料金光熱費を滞納している場合も、法律上は借金となります。家賃滞納のまま転居した際の未払家賃も当然ですが借金に含まれます。

このように、正確に自分の借金を数え上げていくと予想以上の金額に膨らむ可能性があるので、借金の総額次第で、どのような借金整理の方法をとるかが変わってくるので、まずは「自分が本当はいくら借金しているのか」を正確に把握することが重要です。

取引履歴が開示されなければ記憶に頼るしかない

弁護士が債務整理の依頼を受けて最初に行うのが取引履歴の開示請求があります。債権者(借金をしている業者)すべてに、今までの貸し借りの状況を一覧にして送付するように依頼します。それによって、いつどれだけ借りて、いつどれだけ返したかが書かれた書類が送られてきます。

返し過ぎた借金を調べるために取引履歴の開示請求を行うのですが取引が7年以内であれば、殆の業者は履歴を開示してくれます。しかし、10年、20年以上前から取引がある場合は、取引履歴を出さない、もしくは出せないと主張する会社も出てきます。

なかには3年間分しか開示しないという業者もいるので、借金をしている人は「最初にお金を借りたのがいつか」を思い出す必要があります。

もちろん、契約書や明細書が手元に残っていれば問題ありませんが、殆どの人は10年以上も前の契約書を捨てずに保存していたり明細書すべてを保管しているケースは少ないようです。

そうなると、借金をした理由を振り返って思い出すしかありません。借入先がどうしても取引履歴を提出しない場合は、行政機関業界団体(各都道府県の貸金業協会など)に行政指導、行政処分を求める上申書を提出して取引履歴の開示を強く求めることになります。

そもそも取引履歴を開示しないことは法律違反なので業者が法律違反をしていると監督機関に通報します。監督機関から指導を受けるのは業者にとっては悪質業者のレッテルを貼られることになり営業停止などの行政処分を受ければ会社の存続を揺るがす事態になります。監督機関への通報は一見効果がなさそうに見えますが意外に大きな効果があります。

それでも取引履歴を開示しない場合は、過払い金が発生している可能性が高いと考えられます。こういったケースでは、記憶をもとに取引状況を推測して過払い金の計算をしたり、当初残高をゼロとして取引履歴を作成したりなどで、裁判で過払い金の返還を求めていくことになります。

裁判を提起するにも、行政機関に申告するにも、記憶の正確性が重要になるので、「いつ借金をしたか」を出来る限り正確に把握することで借金苦を救うことに繋がります。

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