借金をゼロにする正しい知識と解決法

4) 過払い金の取り戻し方

過払い金を取り返すためには取引履歴の開示が肝心


過払い金を請求するためには取引履歴を業者に開示させることが必要です。最近は業者に取引履歴の開示義務を認めた最高裁判決が出たことから取引履歴の開示を一切しない業者はほとんどいなくなりました。

しかし業者のなかには、貸金業規制法19条・17条に定める帳簿の保存期間を理由に3年分しか開示しないところもありました。

税法上帳簿保存期間は7年間商業帳簿保存期間は10年間なので10年分を保存しておらず開示できない業者は各法律に違反していることになります。

取引履歴が不完全な場合は、推測する

実際には取引履歴を部分的にしか開示しない業者が大半ですので業者が出した取引履歴が途中からしか開示されなかった場合、残高ゼロ方式推定計算のどちらかで計算し、過払い金を推測します。

残高ゼロ方式は、記載されている残高を無視して開示された取引履歴を利息制限法により再計算するやり方です。

依頼者が業者と初めて取引をした時を思い出してもらい、その年と開示された歳の間に大きな開きがある場合に採用できる手法です。「取引当初の利率からすれば、過払い金が発生していた可能性が高いから、債務残高はゼロになっている」と考えます。

推定計算は依頼者が記憶している最初の取引時期から開示された取引履歴の最初の期間までを依頼者の記憶から予測して計算します。もちろん予測に過ぎないので、この方法による計算が正しい過払い金額かどうかはわかりません。

しかし、明細書などの資料がまったく手元になければ推定計算をするしか選択肢がない場合があります。

推定計算によって過払い金返還訴訟を起こすのは銀行口座で取引履歴がわかるカード会社などが対象となります。

銀行は裁判前に請求しても10年移譲前の取引履歴については開示してくれませんが最近では調査嘱託という手続きで10年移譲前の取引を銀行に開示してもらうことができます。

こうした手続を利用してカード会社からの貸付、返済記録をもとに改めて推定計算を行い過払い金額の立証を行っていきます。

また、推定計算をし、訴訟を起こした後で業者に取引履歴の開示を命じるよう裁判所位申し立てる方法(文書提出命令)もあります。

訴訟に持ち込まずに交渉で過払い金を取り戻す

多くの場合、訴状を出して第1回期日が始まるまでに業者が訴訟外で支払いの打診をしてきますので訴訟=時間がかかるというイメージは必ずしも正しくありません

交渉の場合は、残元金、過払い利息の合計金額の8割以上で合意をするのが平均的です。専門家によっては全額や9割以上でなければ合意に応じないという対応をする人も多く居ます。できるだけ多くの過払い金を回収することが借金トラブル解決の近道です。

支払い済みの業者に対する過払い金返還請求

過払い金返還請求は必ずしも取引継続中の業者に対してだけ行うものではありません。現在、取引はしてないが完済してしまった業者に対しても過払い金の返還を求めることができます。高利率で完済した場合は間違いなく過払い金が発生しています。

完済した業者に対して取引履歴の開示を求めて拒絶する悪質な業者もいますが貸金業法において取引終了から3年は帳簿の保存義務があるので、こういった悪質な業者には行政指導・行政処分を求めるなどして開示を求めます。

専門家に任意整理手続きを以来する際は、完済した借金についても伝えることが必要です。

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